子供のころから立入禁止になっている区画があることが気になっていました。衣山処刑場と呼ばれる場所でお地蔵さんの祠もあります。今は松山刑務所が管理する囚人専用の墓地になっています。
囚人専用墓地といっても普段の生活においてはなにも気になりません。しかし忘れられない事件があります。
ジメジメとした梅雨の出来事。日が沈み始めた時間帯にこの道を自転車で走っていました。すると衣山処刑場跡の前の道路でスッと影が飛び出してきました。
気づいたときにはブレーキが間に合わず、タイヤでなにかを轢いてしまったと思いました。
自転車をとめて辺りを見回しましたがなにもいません。影の大きさから猫のような小動物だと思いましたが気のせいだったのかもしれません。
それから1ヶ月がたち影のことはすっかり忘れていました。
外を歩いていると背後からなにかが飛び出してきました。え?と思い辺りを見回しましたがなにもいません。見間違いではなくたしかに視界の横をなにかが通ったはずです。
なんだか見覚えがある光景だとおもったら衣山処刑場跡の前でした。あの日と同じ影だったと確信しました。
なにかに呼ばれていたのか、それとも近づくなという警告だったのかはわかりません。あれからこの道は意識的に避けるようになりました。
心霊スポット:衣山処刑場跡