これは友達と2人で肝試しに老ノ坂峠へ行ったときの話です。
噂で聞いていたモーテルサンリバーを目指しそれらしき建物を発見しました。
近くに車を停めて周囲の探索を始めました。
話に聞いていたとおりずいぶんと不気味な場所で恐怖感がすごかったです。
明かりは無く真っ暗なので目の前の暗闇からなにかが出てくるんじゃないかと怯えながら歩きました。
近くを歩くだけで肝試しを満喫できたので建物内には入りませんでした。
最後に建物だけ見て帰ることに決めました。
すると二階の窓のほうに赤い服の女性らしき人影が見えました。
僕たちは慌てて車のほうに引き返しました。
もしかしたら見間違いかなとも思いました。
しかし二階の窓に女性が立っているという噂どおりのことが起きたので本当かもしれないと半信半疑でした。
そんなふうに少し楽観的に考えながら車を走らせていると、助手席に座っていた友達が突然「まえ!」と叫びました。
え?と思いながら前方をよく見ると老ノ坂トンネルの前で赤い服の女性が立っていました。
僕は驚きながらもブレーキを踏むことはできず無我夢中で車を走らせました。
女性のほうはなるべく見ずに前だけに意識を向けました。
ちょうど女性とすれ違いそうになった瞬間にバタンと車になにかがぶつかる音がしました。
そのまま走り続けようやく明るい場所に出たところで車を停めました。
友達はずっと無言のままでした。
なんでもいいからとにかく話したかったけどなにを言葉にしていいのかわかりませんでした。
僕は息苦しい車内から抜け出すためにドアを開け外にでます。
ヒンヤリとした空気が気持ちよく、やっと深く呼吸ができました。
しかしドアを閉めた瞬間また僕の呼吸はとまりました。
ドアには血のように赤い手形がビッシリとついていたのです。
その後、車はすぐに売りにだしました。
そして老ノ坂峠には二度と近づかなくなりました。
肝試し - 探索レポート